定型的な様式を作る--ビジネス・レポートの書き方

ビジネスマンの価値は、その人が他人の話を聞いているか、聞いていないかにより決まると言っても過言ではない。もちろん良く聞いている人が高い評価を受けることになる。しかし、いくら他人の話を聞いてきたところで、それを報告することができなければ、良く聞いた証拠にはならない。ビジネスレポートは、いわば仕事をしてきたという証拠になる。

大切なことは、「何を見て、何を聞いて、何を話して、どう考えたのか」である。おそらくあなたの会社では、すでに各種レポートのスタイルやテンプレートができあがっていると思われる。会社によっては、文例集をそろえているところもあるだろう。

また、各種文書について、社内規定で詳しく定めているところもある。特に稟議などは、「稟議課程」や「文書取扱規程」などによって運営されていることが多い。社内規定ではいったいどうなっているのかは、必ず確認することだ。

営業販売レポートなら、日報形式で記入させていることもある。また、提案書なら、社内に提案箱を置き、気軽に利用させている会社もある。ともあれ、何の考えもなしに、先輩が築き上げたスタイルを崩すようなことがあってはならない。壊すことは容易いが、作り上げるのには膨大な労力がかかるのだ。

レポートのスタイルは、長い間先輩諸氏が練り上げたという歴史があって、現在のスタイルができあがったということを忘れてはいけない。「保存してあるすべてのファイル・書類・メモ類は、処分の後、どうしてもなくてはならない事態が生ずるまで必要とされることはない」とは“ビジネスマン1311の成功法則(ポール・ディクソン編・講談社刊)”という本に紹介されている法則の一例だ。

オフィスで保存されているファイル・書類のほとんどは、活用される機会を持たないままに廃棄されていく。実にもったこいない事といわなければならない。先輩たちが残した文書を活用する方法を考えなければならない。

文書上達の秘訣の一つには、他人の書いた文章をまねることである。暇を見つけて、先輩が残した文書を読んでみるとよい。やろうと思えば、すぐに実行できるはずである。始業前や昼休みの十分間など、その気になりさえすれば、勉強の時間は作り出せるものだ。

また書く直前でも先輩の文書を読んでおけば、不必要なミスを犯すことはなくなる。結果的に時間の節約になる。社内文書ならそうもいかないが、各出版社から出ているビジネス文例集は、通気の電車の中で読むのに適しているだろう。

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